No.421-1(2007/3/29)

Successful application of video-projected human images for signalling to dogs.

(イヌにシグナルを送るヒトを映したビデオ映像の成功した応用例)

Pongracz P, Miklosi A, Doka A & Csanyi V.(2003)
Ethology ,109,809-821.

実験者が指差しによってご飯のあるボウルを示すという2選択の課題でイヌをテストした(実験1)。また、飼い主がイヌに簡単な命令課題を下すという課題も行われた(実験2)。 実験1では、最初イヌ(10頭)は飼い主がいる場面でテストされた(3次元条件)、その後、等身大の実験者の映像がプロジェクターによって投影されている指差しの試行が行われた(2次元条件)。イヌは3次元条件でも2次元条件でもチャンスレベル以上に正しく反応した。実験2では、命令を出す飼い主が一緒に部屋にいる(3次元条件)、飼い主の映像がスクリーンに投影される2次元条件)、もしくは飼い主の声のみをスピーカーを通してイヌに聞かせる(0次元条件)という条件を行った。イヌ(10頭)のパフォーマンスは、イヌが従った異なる行動数が0次元で明らかに少なく、3次元と0次元を比較すると大きく下がっていた。しかし、3次元条件と2次元条件では、イヌが従った異なる行動の数に違いはなかった。我々の結果から、イヌはすぐに、実際の大きさの、さまざまなコミュニカティブな文脈におけるインタラクティブな動画に従うことが示された。2次元と3次元条件の違いは、声(言葉手がかり)やヒトからの匂いの文脈のいくらかの変化といった、付加的でコミュニカティブな信号がいくらか欠けているとことが部分的には原因ではないかと示唆される。

発表者:高岡