No.422-1(2007/4/5)

Imitation of causally opaque versus causally transparent tool use by 3- and 5-year-old children.

(3・5歳児による因果的に不透明な道具使用と因果的に透明な道具使用の模倣)

McGuigan N, Whiten A, Flynn E & Horner, V.
Cognitive Development ,in press.

我々は、イミテートもしくはエミュレートする傾向が、因果的情報が利用できるかどうかによって、また、提示時に利用可能な情報の量によって影響されるかを検討した。3歳児と5歳児は、ライブもしくはビデオのモデルによって、透明なもしくは不透明な問題箱から報酬を手にいれる方法を示された。一連の行動の中で、いくつかの行動は報酬を手にいれることと因果的に関連していたが、いくつかの行動は無関連であった。透明な箱の場合は、因果的に無関連な行動を見ることが可能であったが、不透明な箱の場合は、それらの行動を見ることができなかった。その結果、3・5歳児とも、ライブの見本を見た際には、因果的な情報が利用できるかどうかに関わらず、無関連な行動をイミテートしてしまった。一方、3歳児は、ビデオの見本を提示され、利用できる情報が少なくなった場合、エミュレートする傾向にあり、無関連な行動を除外した。しかしながら、5歳児は、少なくなった情報に影響されず、イミテートする傾向にあった。我々は、イミテーションが発達し、課題の効率を犠牲にしてでもしばしば採用されるほど適応的なヒトの戦略になったということを示唆する。

発表者:森口