No.423-1(2007/4/12)

How to turn a hawk into a dove and vice versa: Interactions between emotions and goals in a give-some dilemma game.

(ハトをタカに変える,および,その逆の方法:情動と分与ジレンマ・ゲームにおける目標の間の交互作用)

Nelissen RMA, Dijker AJM & deVries NK (2007)
Journal of Experimental Social Psychology, 43: 280-286.

本研究は,1回限りの分与ジレンマ・ゲームにおいて,情動が行動に及ぼす影響について調べたものである.個々の情動の役割についての機能主義的な見方と一致して,我々は,恐怖は協力のレベルを弱め,罪悪感は協力のレベルを高めることを見出した.具体的には,恐怖を喚起した場合には,向社会的な価値志向性を持った人でのみ協力を弱め,罪悪感を喚起した場合には,向自己的な価値志向性を持った人でのみ協力を高めるという結果が得られた.我々はまた,いずれの社会的価値志向性も,(価値重要性評価によって評定されるような)慢性的にアクセス可能な目標の違いによってうまく説明できることを示した.したがって,これらの結果は,喚起された情動状態が行動に及ぼす影響に見られる個人差は,個々の情動状態と関連する全般的な目標への慢性的なアクセス可能性の違いに関係しているという我々の仮説を支持するものと思われる.

発表者:大芝