No.424-1(2007/4/19)
Top-Down Versus Bottom-Up Control of Attention in the Prefrontal and Posterior Parietal Cortices.
(前頭前野と後頭頂皮質におけるトップダウンの注意とボトムアップ制御の注意)
Buschman TJ & Miller EK. (2007)
Science, 315: 1860-1862.注意は、課題要求(task demands)から生じる“トップダウン”の信号によって随意的に対象に向けられる場合と、目立つ刺激から生じる“ボトムアップ”の信号によって自動的に向けられる場合がある。こうした注意処理には前頭葉と頭頂葉が関与するが、それぞれの神経活動を直接比較した研究はこれまでなかった。そこで我々は、サルにおける両脳部位の活動を同時に記録した。トップダウン注意が働く課題では、前頭前野にある神経細胞が先に標的位置に対し反応を示した一方で、ボトムアップ注意課題では、頭頂葉の神経細胞が先であった。前頭領野−頭頂領野間の同期性は、トップダウン注意課題では低周波帯域で、ボトムアップ注意課題では高周波帯域でより強まった。本結果は、トップダウンとボトムアップの信号がそれぞれ前頭皮質と感覚皮質から生じており、それぞれの注意が異なる周波数帯域で領野間の同期性を高める可能性を示唆する。
発表者:中村