No.424-2(2007/4/19)
Perceptual asynchrony between color and motion with a single direction change.
(色と運動の知覚的なずれは単発の運動方向の変化の際にも生じる)
Linares D & Lopez-Moliner J. (2006)
Journal of Vision, 6: 974-981.ある刺激の色(緑、赤など)と運動方向(上、下など)が同じ周波数で繰り返し変化している場合、運動が色よりも80ミリ秒先に変化した場合に両者の変化が同期して見える。これを色運動非同期錯視(color-motion asynchrony illusion)という。処理時間の違いに基づいたモデルでは、運動の知覚をもたらす神経活動には色のそれよりも時間がかかることにより、このような錯視が生じるのだと説明している。方や、タイムマーカーモデルでは、高速の刺激変化において異なる種類の変化をうまく対応させることができないことが原因であるとしている。ここでは、タイムマーカーモデルへの反証として、この錯視が単発の運動方向の変化でも生じることを示す。この錯視を単純化して調べた結果、ある種の視覚マスキングが色の間で生じてはいるが、測定された知覚の時間ずれは処理時間の違いを確かに反映しているのだということを示した。
発表者:松野