No.425-1(2007/4/26)

Flash-lag chimeras: The role of perceived alignment in the composite face effect.

(フラッシュラグ・キメラ−合成顔効果における知覚的整列の役割)

Khurana B, Carter RM, Watanabe K, & Nijhawan R (2006)
Vision Research, 46: 2757-2772.

異なる顔半分を空間的に整列させると、それぞれの顔半分のアイデンティティの認知が損なわれる (Young, Hellawell, & Hay, 1987)。網膜上では整列しているが知覚的にはずれている、あるいは網膜上ではずれているが知覚的には整列している顔半分の認知パフォーマンスはいったいどうなっているのだろうか。われわれは「フラッシュラグ」効果 (Nijhawan, 1994) を用いてこれらの問いに迫った。静止した顔上半分が運動する顔下半分と最初は整列するようなキメラを作成した。フラッシュラグ・キメラは静止キメラよりもよく認知された。しかし、フラッシュする顔半分が運動する顔半分に物理的に先行して呈示されると、フラッシュラグ効果が打ち消されることにより、認知が損なわれた。これは、2つの顔間の相対運動自体がフラッシュラグ・キメラでの優れた認知を説明するのに十分であるという考えに反する。したがって、顔半分が(網膜上でずれているにもかかわらず)空間的に整列して知覚されることによって認知は損なわれるが、(網膜上で整列しているにもかかわらず)ずれて知覚される場合は損なわれない。

発表者:酒井