No.425-2(2007/4/26)

Perception of object shape and texture in human newborns: evidence from cross-modal transfer tasks.

(新生児における物の形ときめの知覚:異種感覚間転移課題からの証拠)

Sann C & Streri A. (2007)
Developmental Science, 10: 399-410.

本研究では、視覚と触覚の双方向の異種感覚間転移の実験を通して、新生児における物の形ときめの知覚について調べた。感覚間手続きを用いて、新生児の、視覚から触覚へおよび触覚から視覚へと、物の形ときめに関する情報を転移する能力について検討するため、4つの実験がおこなわれた。結果から、形の異種感覚間転移は、誕生時には双方向ではないことが示された。新生児は、把握した物の形は視覚で認知できたが(触角→知覚)、見た物は、触角では認知できなかった(視覚→触覚)。これに対して、きめの知覚においては、双方向の異種感覚間転移が観察された。まとめると、新生児はより年長の子どもや成人と同様、物の異なる特徴に対して、視覚モードと触覚モードでは違うやり方で情報を集めるということである。このような知見は、物体の特徴を知覚するメカニズムの発達の連続性の証拠を与えるものである。

発表者:板倉