No.426-1(2007/5/10)

Color vision in horses (Equus caballus): Deficiencies identified using a pseudoisochromatic plate test.

(ウマにおける色覚:色覚検査表テストを用いて認められた欠損)

Hanggi EB, Ingersoll JF & Waggoner TL (2007)
Journal of Comparative Psychology, 121(1): 65-72.

昔は、ウマの色覚は、絵の具を塗ったカードや写真のスライドで構成された刺激や網膜電図フリッカー測光法を用いた生理学上の検査を通して調べられた。よく似た結果を示した研究もあったが、そうでないものもあり、これらの研究の矛盾した結果からは、ウマの色覚についての決定的な答えが未だに見出せていないことを示している。今回の研究では、色覚検査表テスト(小さな子供や成人したヒトの両方の色覚を検査する際に非常に有効なテスト)を、ヒト以外の動物で初めて使用した。刺激は、様々な点からなる背景と、それとは異なった色の点で描かれた円から成っていた。円の配色は、様々なタイプの色覚異常(異常三色型色覚や二色型色覚)の視覚機能に対応していた。4頭のウマが2選択弁別課題を用いて実験された。すべてのウマが、灰色の円とデモンストレーションの円(橙色)に関してはうまく基準に達したが、どのウマも、第1色覚異常(赤が欠けた二色型)−第2色覚異常(緑が欠けた二色型)プレート、または単独の、第1色覚異常(赤が欠けた二色型)プレート、第2色覚異常(緑が欠けた二色型)プレートを弁別することはできなかった。しかしながら、すべての個体は、第3色覚異常プレートを弁別することができた。これらの結果から、ウマが赤−緑色覚異常を伴ったヒトとよく似た色覚機能をもつ、二色型色覚者であることが示唆される。

発表者:瀧本