No.426-2(2007/5/10)

Predictive gaze cues and personality judgements: Should eye trust you?

(予測的視線手がかりと性格判断:眼はあなたを信じるべきか?)

Bayliss AP & Tipper SP (2006)
Psychological Science, 17(6): 514-520.

他者の視線を追従することは円滑な社会的相互関係において重要であるが、こうした視線手がかりの効果が柔軟な性質を持っているということは、視線が欺きに利用される可能性があることを意味している。視線手がかりの手続きにおいて、被験者は右もしくは左を見るいくつかの顔を提示された。ある顔は常にターゲットのほうを見(predictive-valid)、またある顔はターゲットとは逆のほうを見(predictive-invalid)、また別の顔はターゲットの方もしくは別の方を同じ割合で見た(non predictive)。標準的な視線手がかり効果は、こうした随伴性による効果は受けないようであった。それにもかかわらず、被験者は予測的‐一致顔(predictive-valid)を予測的‐不一致顔(predictive-invalid)よりも「信頼できる」顔として選んだ。この効果は、自閉症傾向の特質を調べた成績とは負の相関があった。さらに私達は、「欺いた」顔(predictive-invalid)は「協力的な顔」(predictive-valid)より強く記憶に残るという暫定的な証拠を示す。これらのデータは、注意、視線の知覚、顔の同定、性格判断の間に重要な相互作用があることを示している。

発表者:服部