No.428-2(2007/5/24)

Schemas and memory consolidation.

(スキーマと記憶の固定化について)

Tse D, Langston RF, Kakeyama M, Bethus I, Spooner PA, Wood ER, Witter MP & Morris RGM (2007)
Science, 316: 76-82.

記憶の符号化のプロセスが速い。一方、新皮質における記憶の固定化はよりゆっくりとした過程だとされてきた。本研究では、もし、新しい情報を受け入れる連合スキーマが存在すれば、システム固定化は極めて速くなることが分かった。ラットを被験体とした本研究では、海馬に依存する対連合課題を用いた。味と場所の連合記憶は、(推定上の)新皮質スキーマが徐々に形成されるにつれ、持続できるようになった。その後、ただ1試行の訓練だけで、形成した新しい痕跡は、(新皮質スキーマに)同化され、そして、すぐに海馬に依存するようになる。また、1試行の学習の中で、持続できる連合記憶表象の形成にあたって、スキーマは根本的な役割を果たしている。新皮質スキーマの概念は、知識構造に関する心理学的説明と神経生物学におけるシステム的記憶固定化に関する理論を統合できる。

発表者:劉