No.435-2(2007/7/12)

First Suckling: A Crucial Event for Mother-Young Attachment? An Experimental Study in Horses (Equus caballus)

(初めての授乳は、母子関係にとって重大なイベントか?ウマにおける実験的研究)

Hausberger M, Henry S, Larose C & Richard-Yris M-A (2007)
Journal of Comparative Psychology, 121: 109-112.

本研究は、ウマ(Equus caballus)の母子関係(mare-young attachment)に対する、初めての授乳の際の妨害の影響を調べたものである。母ウマの乳首のところに連れてこられた(受動的な初乳)実験群の子ウマは、自発的に授乳することを許されたコントロール群の子ウマよりも、より母ウマの近くにおり、遊ぶ頻度が少ない(生後1−3ヶ月時)。また、より高いレベルの遊びや母ウマから自発的に離れる距離は、ウマやヒト、他の種において、確かな愛着心[母子関係]の基準とみなされる。この独特の操作(=子ウマが初乳を自発的に飲むか、受動的に飲むかの状況設定)は、実験群とコントロール群を分ける唯一のイベントであったので、筆者は「初乳が、確かな母−子の愛着心の発達において重要なイベントである」と結論づけた。これらの結果は、ヒトを含むすべての哺乳類に対する重要な示唆をもつと考えられる。

発表者:瀧本