No.436-1(2007/7/19)
Distance cognition in virtual environmental space: Further investigations to clarify the route-angularity effect
(バーチャルな環境空間における距離認知:経路曲折効果の解明に向けてのさらなる調査)
Jansen-Osmann P & Wiedenbauer G (2006)
Psychological Research, 70: 43-51.計72人の参加者による2つの実験で経路曲折効果(route-angularity effect)が示された.これは,経路に曲がり角が多くある場合には,経路の長さの推定値が増大するというものである.本研究では,経路曲折効果が課題の難易度に依存する,すなわち記憶に基いたものである可能性が高いことが示された.学習時に記憶に課される負荷の大きさが,重要な要因になっているように思われる.経路曲折効果は,記憶に対する負荷の大きい意図的学習においても生じる.この学習条件では,被験者は後で距離を推定することになると,あらかじめ通知されていた.実験はすべて統制されたバーチャル環境で実施された.そのため,環境空間における距離推定についての調査は信頼性が高い.
発表者:大芝