No.436-2(2007/7/19)

Coordinating cognition: The costs and benefits of shared gaze during collaborative search

(協力の認知: 協同探索で用いられる視線共有のコストと利益)

Brennan SE, Chen X, Dickinson CA, Neider MB & Zelinsky GJ (in press)
Cognition.

協力(collaboration)は有益だが、他者との協同作業(coordination)はコストが伴う。私達は、視線と発話を共有させることで、視覚探索課題で離れた場所で組になったヒトが協力できる可能性について調べた。アイトラッカーをつけた被験者が、O-in-Qs課題(Qの中からOを見つける)を1人で行うか、もしくは以下の3つの協同条件で行った: 視線共有条件(shared gaze;お互い相手がどこを見ているのか gaze-cursorによって見ることができる)、発話共有条件(shared-voice;お互いに話しかけることができる)、視線および発話共有条件(shared-gaze-plus-voice;gaze-cursorと発話両方を用いることができる)。協同作業で課題を行ったペアは1人で行った被験者より成績は良かったが、視線共有条件が最も成績が良かった: 1人で行った時の2倍の速さでかつ同じくらいの正確さだった。被験者は視線を共有するだけで十分に意思伝達を行い協同で探索課題を行っていた。驚くべきことに、視線共有条件は視線および発話共有条件よりも反応時間が速かった;発話は多大な協調コストを生んでいた。結論として、視線の共有はスピードが要求される課題において、2人の並行作業を協調させる十分に効果的な方法であると言える。

発表者:服部