No.438-2(2007/8/2)
Brain responses in 4-month-old infants are already language specific
(4ヶ月児の脳の反応は、既に言語依存である)
Friederici AD, Friedrich M & Christophe A (2007)
Current Biology, 17: 1208-1211.言語は、ヒトと他の動物を区別するもっとも重要な能力である。乳児は、環境における言語入力に応じて、母語を生後一年の間に素早く、努力することなく学習する。行動的な研究は、1−4ヶ月児が、旋律輪郭やアクセントパタンを識別することを報告している。また、行動的、脳科学的指標は、その時期の乳児が、言語非依存の音声対照を識別することを示している。しかしながら、6−12ヶ月児では、言語依存の識別になることも報告されている。本研究では、我々は、電気生理学的指標を用いて、4ヶ月のドイツ人およびフランス人乳児が言語依存のアクセントパタンを識別することを証明する。我々は、リズム構造が異なる二音節の語、1つはドイツ語に倣い第一音節にアクセントのある語、pa´pa/daddy、もう1つはフランス語に倣い第2音節にアクセントのある語、papa´/daddy の処理を比較した。事象関連の脳電位は、ドイツ語とフランス語の経験が、4ヶ月児の脳の反応に異なった影響を与え、それぞれの言語集団が、母語におけるリズム構造の処理が得意であったことを示している。これらのデータは、少なくとも4ヶ月児乳児において、言語依存の脳内の語形の表象の存在を示唆している。
発表者:森口