No.439-1(2007/8/9)

Is your choice my choice? The owners'effect on pet dogs' (Canis lupus familliaris) performance in a food choice task

(あなたの選択は私の選択?イヌにおける食物選択課題の飼い主効果)

Prato-Previde E, Marshall-Pescini S & Valsecchi P (in press)
Animal Cognition.

本研究では、異なったまたは同じ量の食物を用いて、食物選択課題を行ったイヌの成績における飼い主の影響を調べた。3条件で54頭のイヌがテストを受けた。条件1では、多い量と少ない量の間で選択する能力を見極めた(量の弁別課題)。条件2では、飼い主が少ない量の方を好んでいるのを目撃した後で、イヌは再び多い量と少ない量の間で選択することを求められた。条件3では、量の等しい(少量)2つの食べ物の間で選択するように求められたが、飼い主がそのどちらかを好んでいる様子を目撃してから選択させた。イヌの成績には飼い主の効果が強く現われていた。条件1では、全体としてイヌは多い量の方を選択しており、つまり、量の弁別課題が解けることを示唆している。飼い主が少ない量の方を好むのを目撃した後では、目撃していない場合に比べて、イヌが多い量を選択することが著しく少なかった。多い量と少ない量の選択(条件2)の時よりも、2つの同量(少量)の間で選択するときの方が、イヌは飼い主の選択に従っていた。これらの結果から、直接的な知覚情報と比べて、それらの示すものが明らかである場合でさえも、イヌは飼い主に影響され、最終的にイヌに非生産的な選択をさせるという証拠が得られた。

発表者:高岡