No.440-1(2007/8/30)
Transfer of metacognitive skills and hint seeking in monkeys
(サルにおけるメタ認知的技能の転移とヒント希求行動)
Kornell N, Son LK & Terrace HS (2007)
Psychological Science, 18(1): 64-71.メタ認知は、自身の知っていることに関する自信のほどについての判断(モニタリング)として表出できる知識であり、自身が知らないことを学ぼうとする戦略(制御)として表出される知識である。動物の認知過程については多くのことが研究されているが、彼らのメタ認知能力についてはわずかしかわかっていない。本論文で我々は、知覚課題の成績について自信判断を回顧的におこなうよう訓練されたアカゲザルが、新たな知覚課題と作業記憶課題に、その能力を直ちに転移させることを示す。またサルは、それなしには試行錯誤でしか解けない課題を与えられた時に、“ヒント”のリクエストを学習することを示す。この研究は、ヒト以外の霊長類がヒトとモニター機能を共有しており、メタ認知能力を認知課題内及び認知課題間で転移させ、かつ知る必要に応じて新たな知識を探し求めることを示すものである。
発表者:藤田