No.643(2012/2/16)
Resolution of spatial and temporal visual attention in infants with fragile X syndrome.
(脆弱X症候群の幼児における視覚的注意の時空間解像度)
Farzin F, Rivera SM, Whitney D (2011)
Brain,134: 3355-68.脆弱X症候群は遺伝性の精神発達障害の中で最も一般的であり、単一遺伝子による自閉症の原因としてよく知られている。脆弱X症候群の人は、前頭葉−頭頂葉ネットワークに関連した視知覚の時空間処理に限定的な疾患を呈する。本研究では、減弱した視覚的注意の空間的 かつ/または 時間的な解像度が、脆弱X症候群における知覚障害の要因となっているかを調べることを目的とした。アイトラッキングを用いて、脆弱X症候群の幼児と同発達年齢の定型発達児の空間的・時間的な注意の範囲を心理物理学的に測定した。その結果、脆弱X症候群の幼児は、遺伝的な変異に応じて時間的注意の解像度が大幅に低下しているが、空間解像度は損なわれていないことが明らかとなった。脆弱X症候群における精度の低い時間的注意は、知覚、認知、運動能力の発達に重篤な波及効果をもたらすと考えられる。 発表者:平松