No.745-2(2014/3/27)
Capuchin monkeys (Cebus alella) fail to show inequality aversion in a no-cost situation
(フサオマキザルはコストがかからない状況で不公平嫌悪を示さない)
Sheskin M, Ashayeri K, Skerry A, Santos LR (2014)
Evolution and Human Behavior, 35: 80-88.ヒトは様々な状況下で公平性への配慮を頑健に示すが、ヒト以外の霊長類種がどの程度不公平感嫌悪を示すかに関する議論は未解決である。本研究では、被験体が餌を拒絶することなしに不平等に反応することができる「コストなし」法を使って、ヒト以外の霊長類が、同種他個体が公平あるいは不公平な報酬を得る時の反応を調べる。特に、私たちはフサオマキザル(Cebus paella)に2人の実験者のうちの1人とトレードする機会を与えた。それぞれの実験者は、被験体に同じ報酬を申し出たが、事前に被験体と同種パートナー間で異なるトレードの履歴を持っていた。「平等な」実験者は、事前に被験体が受け取ったのと同じ報酬を同種パートナーに渡し、もう他方の実験者は、被験体にとって「有利なトレーダー」(同種には劣った報酬を与える)か、「不利なトレーダー」(同種には優れた報酬を与える)であった。実験者選択を被験体にさせることによって、先行研究において、頑健な公平性選好の表れを覆い隠していたかもしれない競合する要求を取り除いた。公平性選好の表出に関連するコストをなくしたにもかかわらず、フサオマキザルは公平と不公平な実験者間の区別をするという結果は得られなかった。 発表者:黒島