Sharing attention and pointing to objects at 12 months: is the intentional stance implied ?
Maria Legerstee & Yarixa Barillas(2003)
Cognitive Development 18 91-110


要約

12ヶ月児における注視や宣言的指差しが、他者を意図的な主体として見なしていることを示唆するのか、それとも単に共同注意条件における特定の視覚的手がかりによって引き起こされる反応に過ぎないのかを検討するために2つの実験が行われた。実験1では、随伴的なやり取りを行う人、もしくは物の視線を追うように条件付けされた32名の12ヶ月児が、コミュニケーションの喚起されるような状況でその人、あるいは物に対伝達行動を行うかが観察された。その結果、12ヶ月児は、物よりも人に対して指差しや注視、発声を同期的に生じさせることが示された。実験2では、他者の視線方向が、12ヶ月児の注視や指差し、発声に及ぼす影響について検討した。実験者は乳児と同じおもちゃを見ながらあるいは異なるおもちゃを見ながら声を出し、それぞれの状況における乳児の行動が観察された。指差しをする乳児は、実験者が自分と異なるおもちゃを見ている際により注視や発声、指差しを生じさせた。よって、生後12ヶ月までに、乳児は人が注意を向ける存在であることを認識していることが示唆された。