Emotions as Within or Between People? Cultural Variation in Lay Theories of Emotion Expression and Inference.

Uchida, Y., Townsend, S.S.M., Markus, H. R., & Bergsieker, H. B. (inpress).
Personality and Social Psychology Bulletin.



要約

4つの実験(自由記述の質問紙も含む)によって、日本人では、感情とは人と人の間に生まれ、存在するものと理解されているのに対し、ア メリカ人では、感情とは主に個人の内部だけで完結するものと理解されているという仮説を検討した。研究1ではオリンピック選手のテレビ でのインタビュー場面を分析した。自分と関係のある人たちについて質問された時に、日本人選手は、アメリカ人選手よりも有意に多く、 感情について答えた。このような文化差は、選手自身の感情について直接的に質問された時にはみられなかった。研究2では参加者は、選手 が勝利した時にどのような感情的リアクションをみせるかについて記述した。日本人の参加者の記述では、アメリカ人参加者よりも、他の 人についての記述が多くみられた。研究3では参加者は選手の勝利インタビューを読み、その選手の感情について推測した。日本人参加者は 、選手が自分と関係のある人たちについて述べている際に、より多くの感情を推測したが、アメリカ人参加者は、選手が自分のことだけを 述べている際に、より多くの感情を推測した。研究4では参加者は選手の写真を見せられ、その選手の感情について推測した。日本人参加者 は、選手がチームメートと一緒に写っている場合により多くの感情を推測したが、アメリカ人参加者は、選手が1人だけで写っている場合に 、より多くの感情を推測した。