Neural Processing of Eye Gaze and Threat-Related Emotional Facial Expressions in Infancy.
(乳児期における視線と脅威に関する感情的な表情の神経処理)
Hole,S. & Striano,T.(2008).
Child develoment, 79, 1752-1760.



要約

視線は表情と組み合わさることで脅威が環境の中のどこにあるかという基本的な情報を与えることができる。視線の向きが乳児の怖れと怒 りの表情の神経処理に与える影響を本研究では検討した。7か月児13人の事象関連電位を記録した。2つの顔に敏感な成分である後頭部のN 290とP400、及び、注意の喚起を示す前頭中心部の陰性成分(Nc)が視線の向きと表情に対して敏感性を示した。怒り表情でも視線 がこちらに向いている場合のほうが外れている場合よりもNcが大きいことがわかった。怖れの表情は怒りの表情と比べより大きなN290 を誘発したが、怒りの表情は視線の向きに関係なく顕著なP400を誘発した。初期の社会的認知や神経発達の観点から結果を考察する。