Being in the dark about your hand: Resolution of visuo-proprioceptive conflict by disowning visible limbs.

Hogendoorn H., Kammers M.P.M., Carlson T.A. & Verstraten F.A.J. (2009).
Neuropsychologia, 47, 2698-2703.



要約

感覚モダリティ間での矛盾は、一方がもう一方を上書きすることによって解決される。例えば、四肢を動かすことで視覚的残像を選択的に 消失させることが知られている。われわれは、手の位置についての視覚的情報と自己受容感覚的情報のミスマッチによって生じる、2つの感 覚モダリティの間の相互作用について調べた。この矛盾は、残像における手の初期の見え方には影響しないのに対し、それに続く動きは残 像を妨げるように働いた。位置情報が矛盾することで、視覚的および自己受容感覚的な手の経験が断たれ、自己受容感覚との相互作用によ って視覚的残像が保護された。主観的な高次の身体経験を調べると、残像の消失と主観的に感じられる所有感覚との間に強い負の相関がみ られた。これは、脳内では多感覚的な位置情報のミスマッチを、見えている四肢の状態に関係なく処理していること、自己受容感覚と視覚 の間の相互作用は高次の身体経験によって調整されていることを示唆する。