Movement contributes to infants’ recognition of the human form.
(動きは、乳児におけるヒトの形態認知に寄与する)
Christie T & Slaughter V. (2010).
Cognition, 114, 329-337.
要約
3つの実験で、生物的動きが乳児における人の全体的形態認知を促進することが示された。6,9,12ヶ月児は、身体弁別課題で、まず
定型的な身体イメージに馴化させられ、続くテストではスクランブルされた身体イメージを見せられた。実験1では、スクランブルされた
身体への関心の回復(脱馴化)は、9ヶ月児と12ヶ月児で観察された。しかしながら、それは、身体イメージが、生物的に可能な様式で
動かされたときだけであった。実験2では、非生物的な動きが、定型的身体イメージおよびスクランブルされた身体イメージの両方に組み
入れられたが、9ヶ月および12ヶ月児の身体認知を促進することはなかった。実験3では、乳児が、アニメ化された(運動を加えられた
)定型的な身体もしくはスクランブルされた身体に対して自発的な選好を示すか否かを調べるために、選好注視パラダイムが用いられた。
その結果、12ヶ月児はスクランブルされた身体に対して、9ヶ月児は定型的な身体に対して選好が見られ、6ヶ月児はいずれに対しても
選好を示さなかった。これらの発見は、形態と動きを統合した人の身体認知は、おそらくSTSが関与しているのであろうが、生後9ヶ月
くらいから見られることを示すものである。