Creating number semantics though finger movement perception
Badets A. & Pesenti M. (2010).
Cognition, 115, 46-53.



要約

コミュニケーションや言語、物体に関する概念的知識は感覚運動システムに基づくものかもしれない。しかし、どのようにして抽象的な概 念がこれらのシステムから生じてくるかは、まだよく知られていない。本論文では、特定の意味のある指の動き(指を閉じる)と数字の大 きさの概念の間の機能的相互作用を調べた。実験参加者は、アラビア数字を提示されるが、その前か後にバイオロジカルもしくはノンバイ オロジカルな手の動きを見る。その結果、指が閉じる動きを見た方は大きい数字の処理が遅くなった。重要なのは、この運動から意味への 相互作用は、意味から運動という逆向きの相互作用とは異なることを示したことである。さらに、これは一般的な開閉の動きのプロセスが 引き起こすものではなく、バイオロジカルな手の動きを見たときにしか生じなかった。これらの結果は、数字の意味と目標志向的な指の動 きとの間の機能的なつながりを示した。そして、どのようにして抽象的な概念が脳内の感覚運動回路から生じるかを示した。