Understanding“Prior Intentions”Enables Tow-Year-Olds to Imitatively  Learn a Complex Task
Malinda Carpenter , Josep Call , Michael Tomasello(2002).
Child Development, 73,1431-1441
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要約

本研究では,子どもの他者の意図の理解を社会的学習場面において検討した。特に,大人が子どもに例示行為を見せる以前に,大人の持つ事前の意図を子どもが知ることによって,その例示行為から学習する事柄に影響が与えられるか否かを検討した。5つの主要な実験条件の中,96人の2歳児が以下のような実験者の行為を見た。それは,実験者がピンを引き抜いたり,箱の扉を開ける動作であった。2つの事前の意図なし条件においては,この例示行為のみを見せるか,関係の無い動作とペアーにした例示行為を見せた。3つの事前の意図あり条件の子どもらには,実験者が例示行為を行なう前に,自分が行なおうとしている事柄を知らせた。具体的には,例示行為の前に実験者が扉を開けようと試みるが失敗する様子を見せる条件,いくつかの他の容器のところに来てそれを開ける様子を見せる条件,すでに開かれた扉を見せる条件であった。2つの事前の意図が知らされていない条件の子どもよりも,3つの事前の意図が知らされている条件の子どもの方が,扉を開ける試みをより多く行なった。この5つの条件の子どもらは,どのように扉を開けるかということについてはまったく同じ例示 行為を見たにも関わらずこのような結果になった