Overimitation in Kalahari Bushman children and the origins of human cultural cognition


Nielsen M & Tomaselli K (in press)
Psychological Science



要約

 子どもたちは、日常的に囲まれている物の使い方を学ばなければならない。そのための最も効果的 な方法のひとつは、模倣によるものである。近年の研究は、ヒト以外の霊長類に比して、ヒトの子 どもは、模倣学習の際に、最終的な結果に到達するというよりむしろ特殊な行為を再生するという ことに焦点を当てるということを示してきた。生後18ヶ月から、子どもは任意の行為や、必要で はない行為でさえ規定通りにコピーするだろう。このような不可思議な行動を過剰模倣という。わ れわれは、産業化された大都市の子どもと、アフリカ南部のブッシュマンの子どもとに見られる類 似性を検討することで、過剰模倣が普遍的な人類の傾向であるかもしれないことを示す。われわれ はまた、過剰模倣が、年齢やテスト環境の違い、デモンストレーターとの親密性には影響されない ことも示す。さらに、過剰模倣が、一見不適応に見えるけれども、実はヒトの文化の伝播や発達に おける根本的な進化的適応を反映しているということについても議論する。