The Development of Cynicism
Mills, M.C. & Keil, F.C.
Psychological Science, 16:385-390


要約

2つの実験で、子どもがself-interest(自己の利益、私利、私欲)と一致する主張または一致しない主張をする他者をどのように評価するかを調べることによって、シニシズムの発達について検討した。実験1では、幼稚園児、小学校2年生、4年生を対象に、登場人物がself-interestに一致した言明または一致しない言明をする、結論がはっきりしていない話しを聞かせ、それぞれの登場人物の信頼度を調べた。年長の子どもは、どの程度登場人物を信じるかを決定するのに、登場人物のself-interestを考慮した。すなわち、self-interestを主張するような言明には、重きを置かなかったが、self-interestに反するような言明は受け入れた。実験2では、潜在的に私利をはかるような言明に対して3つの異なる説明のいずれを当てはめるかが検討された。その3つとは、嘘、バイアス、そして単なる誤り、であった。大人と同様に、6年生は、self-interestを主張する間違った言明には、嘘やバイアスをその説明として当てはめたが、年少の子どもは、バイアスを当てはめなかった。シニシズムと子どものバイアスの理解の発達についての考察がなされた。