Not All Emotions Are Created Equal: The Negativity Bias in Social-Emotional Development
A. Vaish, T. Grossman, A. Woodward (2008)
Psychological Bulletin 134
要約
成人が、ポジティブ・ネガティブ情報を平等に扱わないということは、これまで広く
研究されてきた。特に、様々な心理的状況・課題において成人は、“ネガティビティ・
バイアス”、つまりポジティブ情報よりもネガティブ情報に注意を向け、学び、用いる
傾向を示す。このバイアスは進化適応的機能があると言われるが、発達的・個体発生的
観点から議論されることは少なかった。この論文では、発達初期におけるネガティビティ
・バイアスの存在について、社会的参照や他の分野での知見から論じている。このバイア
スを示し始める個体発生的メカニズムが論じられ、その進化的・発達的機能と結果を示唆
している。また、乳幼児でのネガティブバイアスについての調査方法について提案し、発
達初期におけるネガティブバイアスの性質を明らかにする助けになる予見をまとめている。