Interindividual differences in neonatal imitation and the development of action chains in rhesus macaques
(アカゲザルにおける新生児模倣と行為連鎖の発達との個人間差)


Ferrari, P. F., Paukner, A., Ruggiero, A., Darcey, L., Unbehagen, S., & Suomi, S. J. (2009)
Child development, 80, 1057-1068.



要約

 表情を模倣する能力はアカゲザルにおいてかなり変動性があり、この変動性は特定の神経行動の 発達パターンの差異と関係しているかもしれない。本研究は、41匹のマカクの異なる新生児模倣 反応と生後一ヶ月間の感覚、運動、認知スキルとの関連を評価した。その結果、表情を模倣した 乳児は、模倣しなかった乳児に比べて、目標志向的な動き(リーチング−グラスピングと精巧な 手の運動統制)においてより発達したスキルを示した。これらの差異は、少なくともいくぶん、 ミラーニューロンシステム部位と部分的に重なる頭頂皮質と運動皮質における運動連鎖の異なる 成熟を反映しているのかもしれない。したがって、新生児模倣は、その後の神経行動の発達の予 測因子のように思われる。