Non-symbolic arithmetic in adults
Barth, H., La Mont, K., Lipton, J., Dehaene, S., Kanwisher, N., & Spelke, E.
Cognition(in press)

要約

成人と就学前児がシンボルを用いない数量(numerosities)の算術的計算をできるかどうかを5つの実験で調べた。先行研究では、大人、ヒト乳児、ヒト以外の動物が数量の規模(magnitude)の近似的表象(approximate representation)を利用して数量を処理できることを示している。先行研究で示されたシンボルを用いない表象が、ヒト固有のものである学習性の数学能力の基礎となっている可能性を、この研究では仮定している。成人も算数の訓練を受けていない子供も、エレメントの数の多い集合の近似的算術を行うことができた。この実験で用いた課題は、数量ではない連続変数や、モダリティー固有の情報、別の算術ではない方略、学習の結果による算数の知識の利用のいずれかを用いたために成功したのではなかった。それゆえ、抽象的な数量の
表象は認知的に機能するものであり、いわゆる数学の基礎となるかもしれない。