Bridging the gap between the other and me: the functional role of motor resonance and action effects in infants' imitationk


Paulus M., Hunnius S., Vissers M. & Bekkering H.
Developmental Science, in press.



要約

 本論文では,行為とその結果の観察による乳児の模倣学習の二段階モデル(two-stage model)を検証した。このモデルによると,他者の行為の観察は乳児の運動レパートリーにおいて対応した運動コードを活性化する(つまり,運動共鳴を導く)。模倣行動を導く二番目のプロセスは,行為の結果の観察に起因する。呈示された行為の後に顕著な行為の結果が起こった場合,この結果の表象(つまり,知覚コード)が活性化された運動コードと関連付けられる。もし後で乳児が同じ結果を得ようとした場合,対応した運動プログラムが活性化され,それゆえ呈示された行為が模倣される。したがってこのモデルは,新奇な行為の模倣のためには,呈示される行為は十分な運動共鳴を引き出すことが必要であり,その後に顕著な行為の結果が起こらなければならないことを仮定している。ヘッド・タッチ模倣パラダイムを利用し,われわれはモデルから導き出されたこれら二つの仮定を検証した。そのために,われわれは乳児に呈示される行為が運動レパートリーの中にあるか否か,つまり強い運動共鳴を引き出すか否か,そしてそれらの後に顕著な行為の結果が起こるか否かを操作した。結果は提案された乳児の模倣学習の二段階モデルと合致した。またこれらの結果は,他者の行為とその結果の観察による乳児の模倣学習にとって,運動共鳴は必要だが十分ではないことが示唆された。