Training attentional control in infancy


Wass, S., Porayska-Pomsta, K. & Johnson, M.H.
Current Biology(2011)



要約

 いくつかの最近の研究は、成人において認知的な訓練が般化したパフォーマンスの向上につながらないことを報告しているが、より若い参加者(4歳以上の子ども)を対象とした多くの研究は、遠位の転移を報告している。これは、発達初期におけるより大きな神経的、行動的な可塑性を示す証拠群と一致している。我々は、注意制御課題のバッテリーにおいて11ヶ月の乳児を訓練するために、注視−随伴パラダイム(gaze-contingent paradigms)を用いた。能動的なコントロール群と比較して、相対的に短い訓練期間が付随したときだけに、訓練後の査定によって、認知的制御と持続的な注意における向上、サッケードの反応時間の縮小、視覚的な注意を解放するための反応潜時の縮小が明らかにされた。傾向の変化は、自由遊び中の自発的な注視行動においても観察されたが、ワーキングメモリーにおいては変化がみられなかった。訓練の量は、いくつかの測定単位における向上の程度と相関した。これらの発見は、我々の知る限り、乳児期において注意制御の訓練後に遠位の転移を示した初めての証拠である。初期の注意制御と教育施設における学習との間にある長期的な関係と、機能しない注意制御が、いくつかの障害の学習を阻害するという因果的な役割を考慮すると、この結果は今後の研究にとって多くの道を切り開く。