Developmental changes in the discrimination of dynamic human actions in infancy.

Loucks, J. and Sommerville, J. A. (2012)

Developmental Science, 15: 123-130.



要約

最新の知見では、成人はヒトの行為を観察する際に、どのように手が物体に接触するかといった行為の特徴に対して選択的に注意を向け、空間的軌跡のような、行為の形態的特性にはあまり注意を払わないということが示されている。本研究では、このバイアスが乳児期において発達するのかどうか調査した。生後4ヶ月から10ヶ月の乳児に対して馴化パラダイムを用い、特徴、形態、時間という行為の情報に基づいた行為弁別を検討した。4ヶ月児は、3つの情報の変化を弁別することができたが、10ヶ月児は特徴の情報を確実に弁別できただけであった。これらの結果は、発達初期の行為処理のこれまで知られていなかった側面を浮き彫りにし、行為知覚がperceptual narrowing(知覚的狭化)のような発達プロセスを辿る可能性を示すものである。