Cultural transmission of social essentialism

Rhodesa, M., Leslieb, S-J., & Tworeka, C. M. (2012)

PNAS, 109, 13526-13531



要約

社会本質主義は“ある社会的カテゴリ(e.g. 性別・人種)は基本的に異なる種類の人々を示すものである、”という信念を含んでいる。本質主義的信念というものは、社会的ステレオタイプ化を後押しして偏見を抱かせる一因となることで、有害な帰結をもたらす。では、社会本質主義はどのように発達するのであろうか。今回報告する研究において、我々は以下の仮説を検討した。すなわち、“総称を表す言葉は社会的本質主義の文化伝達を容易にする、”というものである。2つの実験の結果、新たな様々な社会的カゴリ−人種・民族・年齢・性別−に関する総称的な言葉を聞くことは、4歳児及び成人が社会カテゴリに関する本質主義的信念を発達させる、ということがわかった。そして3つ目の実験において、実験的に親に社会的カテゴリに関 して本質主義的信念を持つようしむけることによって、彼らが自分の子どもとそのカテゴリについて話すとき、より多くの総称を示す言葉を産出することを示した。したがって、総称をしめす言葉は社会的カテゴリに関する社会本質主義的信念の、親から子どもへの文化伝達を容易にする、といえる。