Actions seen through babies' eyes: a dissociation between looking time and predictive gaze.
(赤ちゃんの目を通して見られる行為:注視時間と予測的視線の分離)
Daum, MM, Attig M, Gunawan R, Prinz W, & Gredeback G (2012).

frontiers in PSYCHOLOGY, 3, 370, 1-13.



要約

本研究では,乳児における目標志向的行為(goal-directed action)の予測に関する研究で使用される,異なる2つのメジャーの関係を検討した.先行研究では,行為の予測は,行為が終了後に計測されるもの(post-hoc, 注視時間),および,行為の遂行中に計測されるもの(online, 予測的視線)のどちらかであった.われわれは,これら2つのメジャーを直接的に比較した.実験1では,9ヶ月児において,注視時間と予測的視線の分離を示した.注視時間は,identity-related expectationを反映したものであり,予測的視線はその限りではなかった.予測的視線は,location-related expectationを反映したものであった.実験2では,広いレンジの年齢を対象にした実験で,2つのメジャーの分離は生後3歳まで続くことが示された.2つのメジャーが,分離から,identity-related expectationを反映する連合(融合)へと転じるのは,3歳の誕生日を迎える直後であることが分かった.われわれは,これらの発見を,行為の予測の2つのメカニズムの間の初期の分離の観点から議論する.Post-hocメジャーは,本来,identity-relatedに関する情報処理ために,腹側メカニズムが関与しているが(少なくとも年少児においては),onlineメジャーは,本来,location-relatedに関する情報処理のために,背側メカニズムが関与していると推測する.