Making decisions about now and later: Development of future-oriented self-control
(現在と将来に関しての意思決定:未来志向セルフコントロールの発達)

Nancy M. Garon, Julie Longard, Susan E.Bryson, Chris Moore(2012)

Cognitive Development, 27, 314-322



要約

本研究では、未就学児の将来志向選択の能力の下にある要因について調査した。報酬の量と見え方を操作した遅延報酬選択課題を、2−4歳の定型発達児に対しておこなった。幼児は報酬が1から4に増えるときは遅らせることを選んだが、報酬を見えないように覆うことの効果はみられなかった。本研究は、これまでの満足遅延課題に関する研究結果に、’hot’な動機づけシステムの早期の出現と関連づけられる発達パターンを示唆する点で新しい知見を加える。幼児に「現在の自分」と「将来の自分」について考えさせることにより、次に現れる’cool ’な表象システムを活性化させることになると考えられる。このシステムの年齢間の差と、動機づけシステムとの統合が、本実験で観察されたセルフコントロール発達のU字関数の核となる。よって本研究は、未来志向セルフコントロールの発達の理解を助け、自己の定義と社会化の中心となる標石となるといえる。