Joint music making promotes prosocial behavior in 4-year-old children
音楽作りの共同作業は4歳児の向社会的行動を促進する

Kirschner, S. & Tomasello, M. (2010).

Evolution and Human Behavior, 31,354-364


要約

音楽を作る哺乳類は人類のみである。しかし、音楽の進化的起源と機能はまだ分かっていない。伝統的文化では音楽作りとダンスは成人式や、結婚式や戦闘の準備といった重要な集団的儀式の不可欠な部分であることから、音楽は社会の結束や集団の結合を強めるツールとして進化し、最終的には向社会的行動や協力を促進するものになっているという仮説が考えられる。本研究ではそれを検証するために、音楽作りの共同作業は4歳児の自発的協力と手助け行動を増やしたが、同じレベルの音楽なしの社会的且つ言語的インタラクションのコントロール群ではそうではなかったという実験結果を示した。したがって、共同の歌やダンスをはじめとした音楽作りによって、被験者は集団の目標志向や発声と動きの共有目標の視聴覚表象を持続的に持ち、その結果、情動や経験や活動を共有する人類の本能的欲求が満足されると、我々は解釈する。