Children with autism can track others’ beliefs in a competitive game
自閉症児は競合的なゲームでは他者の信念をたどることができる



Peterson CC, Slaughter V, Peterson J, and Premack D(2013)

Developmental Science, 16: 443-450


要約

誤信念テストという‘リトマス’を通して評価される心の理論(ToM)の発達は、自閉症者でひどく遅れているが、標準的な手続き(の誤信念課題)は、これらの子どもたちの真の理解を過少評価しているかもしれない。このことを確かめるために、他のプレイヤーの信念をたどるための動機となる報酬を勝ち取るという競合的なゲーム(‘Dot-Midge 課題‘)を含む新しいテストを開発した。23人の自閉症児(平均年齢10.36才)、50人の定型発達の4歳児(平均年齢4.40歳)および定型発達の23人の3歳児(平均年齢3.59歳)の合計96人に対して、標準的な‘サリー―アン’誤信念課題、Dot-Midge課題(サリー―アン課題の手続きに可能な限りマッチされた)、そして基準となるような言語テストが実施された。結果は、自閉症児では、74%がDot-Midge課題を通過したが、標準的なサリー―アン課題には、わずか13%が通過しただけであった。定型発達児の4歳児では類似したパフォーマンスパターンを示したが、3歳児ではその限りではなかった。この発見は、動機づけに乏しい標準的な誤信念課題に失敗する多くの自閉症児が、競合的なゲームの文脈では、自分の社会的パートナーの信念をたどるために自発的にToMを使用できることを示すものである。