Failed attempts to help and harm: Intention versus outcome in preverbal infants' social evaluations
手助けと妨げの試みの失敗:前言語期の乳児による社会的評価に意図と結果がもたらす影響



Hamlin, J. K. (2013)

Cognition, 128, 451-474


要約

成熟した道徳判断は、他者の行動の結果とそれを駆り立てる心的状態の両方の分析を含む。成人は道徳的評価に意図と結果を容易に取り入れることが出来るが、発達研究は善悪の判断をする際に意図を特別視することが、幼児にとって大変に難しいものだと示唆しており(e.g., Piaget, 1932/1965)これが幼児の「道徳心」はより年上の子どもや成人とは基本的に異なるとの結論にもつながっている。本研究では生後1年を通じて信頼性のある社会的選好を引き起こすために示されるパペット選択の手法(e.g., Hamlin, Wynn, & Bloom, 2007)を用いて、8ヶ月の乳児が社会的評価の際に意図を取り入れ、特別視さえするという証拠を示す。対照的に、5ヶ月児は結果を意図する登場人物を区別できるだけであるようだ。この結果は、成熟した道徳判断におけるひとつの要件である、道徳に関連のある出来事において意図と結果を区別できる能力が、生後8ヶ月までに現れることを示唆するものである。