The sustained effect ofemotional signals on neural processing in 12-month-olds


Leventon, J. S. & Bauer, P. J. (2013)

Developmental Science, 16, 485-498


要約

生後1年になるころ、乳児が他者からの情動的情報を用いて自分の行動をガイドする、社会的参照(social referencing)が発達する。社会的参照に関する様々な研究は、情動情報に反応して生じる「行動の変化」に注目して来た。本研究は、ERPを測定して、社会的参照行動の根底にある神経的反応の変化を研究した。12ヶ月の乳児26人が研究に参加し、乳児の養育者が3つの刺激について肯定的、否定的、中立的情報を提供する行動的仲裁の前後で、乳児のERPを測定した。行動的仲裁の後、乳児からearly and late positive component ERPが観察され、乳児は中立的、肯定的情報より否定的情報を処理することに神経的資源をもっと使用するということが分かった。仲裁前後のERP測定から観察された神経的反応の変化は、否定的、肯定的条件については反応が持続的であり、中立的条件については反応が減少する(中立条件の減衰効果)ということを証明した。また、行動的仲裁で物体に良く注意を払った乳児の場合には、否定的条件についての神経的反応が増加、肯定的条件についての神経的反応が減少した。まとめると、この発見は乳児の神経的反応は肯定的、否定的、中立的情報により違って影響を受けるということを示唆する。また、この結果は経験後の反応をよりよく解析するためには神経的反応測定が重要であることを強調してくれる。