Five-year-olds understand fair as equal in a mini-ultimatum game


Wittig, M., Keith Jensen, K., Tomasello, M. (2013)

Journal of Experimental Child Psychology 116, 324-337


要約

資源分配の研究において、子どもは常に「公平」(fair)をすべての人が均等(equal)に分配されると理解する。しかしミニ最終牒ゲームでは、被験者は「公平」が常に均等とは限らないという状況に直面する。そのため、受給者(recipient)は提案者(proposer)が持つ分配の可能性について考える必要もある。ミニ最終牒ゲームは、強制選択なデザインであり、不公平的意図以外に、不公平的結果に対する敏感性を調べることができる。本研究は、誤信念課題に通過できるが、就学前という時期の5歳児を対象に、公平感に対する敏感性の先天性(nature)について調べた。その結果として受給者は、提案者により均等に分配する選択肢があった時のみ不均等な提案を拒絶し、成人のような、提案者に与えられた可能性を常に配慮した上での洗練された公平感は持っていなかった。提案者も成人と異なって、均等な選択肢があるのに、不均等な提案をすると拒絶されるということを理解しなかった。したがって就学前児は、この課題で「公平=均等」と理解していると示唆され、50/50分配以外に他者が何を公平として求めているかを予測するスキルを持っていないと考えられる。