Asymmetric transfer of visuomotor learning between discrete and rhythmic movements.


Ikegami, T., Hirashima, M., Taga, G., & Nozaki, D. (2010).

The Journal of Neuroscience, 30(12), 4515-4521.


要約

運動のキネマティクスにのみ注目する限り、周期運動は離散運動の連鎖に、離散運動は周期運動の部分であるように見える。しかし、離散運動と周期運動とで神経制御プロセスが異なるかどうかは、あまりまだわかっていない。私たちは、これら2つのタイプの運動の間での運動学習の転移を調べることで、異なる神経制御プロセスによって異なる運動学習・転移が生じるという仮説を検証する。最初に、私たちは離散前後運動での視覚運動条件への適応が、周期前後運動へほぼ完全に転移する一方で、周期運動から離散運動への転移は非常に小さいことを示した。次に私たちは、周期運動の新しいセットが始まるたびに最初のサイクルと後続する数サイクルで多量の運動誤差が現れるが、各セットの終わりには誤差は小さく収斂していくことを示した。最後に私たちは、試行間間隔が4s以上の離散運動トレーニングでは、後続する周期運動の最初のサイクルで完全な転移が生じているように見えるにもかかわらず、2・3サイクル目で非常に大きな誤差が現れることを示した。これらの結果は、異なる神経制御プロセスが2種類の運動に関係していること、離散運動の制御プロセスが周期運動の最初の周期の生成に寄与していることを示す強い証拠となる。