First-person action experience reveals sensitivity to action efficiency in prereaching infants
リーチングのできない乳児において、本人の行為経験から行為の効率性への敏感性が生じる

Skerry, A. E., Carey, S.E., & Spelke, E.S.(2013)

PNAS, 110, 18728-18733


要約

乳児は目標志向性行為を産出する経験を通じて、他者の行為を解釈することを学ぶのだろうか。それとも、他者の行為に関する知識が自身の経験より先行するのだろうか。いくつかの研究が、運動経験が行為理解を強化することを報告しているが、この効果の本質についてはあまり理解されていない。本研究では、早期の運動産出において何が学習されるのかを調査する。そして、与えられた環境の制約の中で行為者は効率を最大化するという前提を含む、目標志向性行為についての知識が、行為産出の経験の前に存在するのかを検証する。3ヶ月児(まだ効率的に物体にリーチングしたり掴んだりできない)がバリアのないところに置かれた物体を取り戻すという新しい経験をした。その後、アクターがバリアを越えて物体にリーチングする場面が呈示され、行為の効率性への敏感性が調べられた。このような乳児は、非効率的にエージェントがリーチングしたとき、注意の増大を示したが、対照的に、成功したリーチング経験がない乳児は直接的・間接的リーチングで違いを示さなかった。乳児がトレーニングでは物体に直接リーチングすることができ、環境の制約に基づいて行為を更新する機会がなかったことを考えると、トレーニングの経験自体が行為の効率性についての学習の基礎を提供したとは考えにくい。与えられた事例におけるエージェントの目標を特定するために、乳児は十分な情報(おそらく自身の運動経験に由来する)を得るや否や、一般的な前提を適用することを本研究結果は示唆する。