Talking to Children Matters: Early Language Experience Strengthens Processing and Builds Vocabulary.
子どもに話しかけることの重要性:初期の言語経験が処理を強め語彙を作る

Weisleder, A., & Fernald, A. (2013).

Psychological Science, 24(11), 2143-2152.


要約

乳児における言語成長の速度は大いに異なり,緩やかな成長は後の学業成績の不振を予測する。本研究では,社会経済的地位(SES)の低いスペイン語を話す家族において,乳児に話しかける量が,リアルタイムで言語を処理する能力と語彙学習における発達にどのように影響を与えるかを調査した。家庭での母子インタラクションを1日まるごと録画した結果の解析から,親が子どもにどの程度発話するかという点において家族間で非常にばらつきがあることがわかった。対乳児発話(CDS)をより多く経験した乳児は,馴染みのある単語をリアルタイムでより効率よく処理し,24ヶ月時点での表出語彙数もより多かった。一方,子どもに向かって話されなかったが聞こえてくるスピーチ(overheard speech)の量は語彙数とは無関連であった。Mediation分析の結果から,表出語彙に及ぼすCDSの効果は乳児の言語処理の効率性によって説明された。これらの結果はより豊富な言語経験が言語成長を促進する処理能力を高めることを示唆している。