The role of intersensory redundancy in the emergence of social referencing in 5 1/2 -month-old infants.


Vaillant-Molina, Mariana; Bahrick, Lorraine E. (2012).

Developmental Psychology, 48, 1-9.


要約

本研究は5.5ヶ月児を対象に,社会的参照の早期出現を検証した。まず馴化刺激として2つの動く玩具の映像を乳児に提示した。それらの玩具の一方は,一人の女性にポジティブな情動表現,他方はその女性にネガティブな情動表現を誘発した。女性の情動はbimodal(視聴覚)或いはunimodal(視覚のみ)で表現された。我々は,乳児における情動表現とそれに対応した玩具との関係の検出は,視聴覚的情動表現の相互感覚冗長性(intersensory redundancy)によって促進されると予測した。結果は予測通り,bimodalの情報を提示された乳児のみ,感情―物体関係の変化に気づき,その関係が逆転するスイッチ・テストにおいて注視時間が増加した。更に選好テストにおいてはポジティブな情動表現と対応した玩具に対する,乳児の選好的接触が見られた。本研究の結果から,相互感覚冗長性の文脈においては5.5ヶ月児でも社会的参照が出現することと,5.5ヶ月児でさえ,ビデオのイベントからの感情的情報に基づいた,3次元の物体に対する選好を示すことが示唆された。