The transition to reaching: Mapping intention and intrinsic dynamics.


Thelen, E., Corbetta, D., Kamm, K., Spencer, J. P., Schneider, K., & Zernicke, R. F. (1993).

Child development, 64(4), 1058-1098.


要約

目標指向的なリーチングの始まりは、質的に新たなスキルの発生を意味する。本研究において私たちは、継続中の乳児固有のダイナミクスから目標指向的なリーチングがどのように生成してくるか、最初のリーチングがどのようにしてこのタスクに適応していくかを検討した。私たちは標準的なリーチング課題において、4名の乳児を毎週観察し、腕を伸ばして最初にリーチングをした週とその前後2週間を特定した。乳児の最初のリーチングは12週から22週までの幅をもち、おもちゃを取るのに異なる戦略を使用していた。大きく、元気な自発活動を行っていた2名の乳児は、力強く、早い動きを減衰させていった。静かだった2名の乳児は、腕を持ち上げるため、より速く、エネルギッシュな運動を生成していった。乳児たちは最初のリーチング以降、タスクに適切な方法でリーチングを調整していった。筋肉の共同活性化を用いて、乳児が意図的に腕の力やコンプライアンスを調節できたとき、リーチングは生成した。本研究の結果は、乳児の中枢神経系は、手の軌跡・関節の協調・筋肉の活性パターンを詳細に描いたプログラムを持っていないことを示唆する。むしろこれらのパターンは、システムの自然なダイナミクスとタスクの調和を積極的に探索した結果である。