Infants deploy selective attention to the mouth of a talking face when learning speech.


Lewkowicz, D. J., & Hansen-Tift, A. M. (2012).

Proceedings of the National Academy of Sciences, 109(5), 1431-1436.


要約

乳児期における発話獲得のメカニズムはまだ完全に解明されていない。本研究では4-12ヶ月の英語を学習している乳児と英語を母語とする成人が、女性が英語(母語)またはスペイン語(外国語)で文章を読んでいる様子を視聴した時の視線を調べた。その結果、4-8ヶ月の間では目から口へ、8-12ヶ月の間では母国語でのみ口から目へと注意が移った。4-8ヶ月児でみられた視線の移動は母語の発話形を学習するための視聴覚情報(audiovisual speech cue)を得るためであり、12ヶ月まででみられた視線移動は母語に専門化してきたことでより社会的手掛かりを得るために目に注意を向けることができるようになったと考えられる。この視点から、12ヶ月児が外国語の発話の際には目に注意を向けなかったのは母語への特化とperceptual narrowingが外国語の処理を困難にしたためであると考えられる。まとめると、今回の結果は発話能力の発達は選択的視聴覚注意の変化に依存しており、究極的には初期の経験に依ると示した。