Not so innocent: Toddlers' inferences about costs and culpability
それほど無邪気ではない:コストや有責性についての幼児の推測

Jara-Ettinger J, Tenenbaum JB, & Schulz LE (2015).

Psychological Science, 26, 633-640.


要約

大人による社会的評価は,他者の能力やモチベーションの知覚によって影響を受ける。援助が困難である時に援助することは非常に価値があると評価され,援助が容易である時に援助しないことは非難に値する。本研究では,子どもの社会的評価が,エージェントが負担するコストによって影響を受けるのかどうかを検討した。我々は,幼児はエージェントを区別するために,目標志向的行動と関連する時間や努力を用いること,そして子どもは目標を達成するためにより少ないコストを負うエージェントを好むことを見出した。2人のエージェントが援助を拒んだとき,子どもはなお有能なエージェントを好んだものの,有能でないエージェントを善い人と推測した。これらの結果から,子どもはより少ないコストを負うエージェントを高く評価するが,少ないコストの行動を行わないことはモチベーションの欠如を意味することを理解していることが示された。我々は,目標志向的行動のコストと報酬からの推測の基礎にはna?ve utility calculusがあり,それによって社会的認知を支えているということを提案したい。