Frequency of Maternal Touch Predicts Resting Activity and Connectivity of the Developing Social Brain.
母親のタッチ頻度が安静時における発達過程の社会脳の活動と機能的結合を予測する

Brauer, J., Xiao, Y., Poulain, T., Friederici, A. D., & Schirmer, A. (2016).

Cerebral Cortex, bhw137.


要約

行動実験の知見では母親の子どもへの身体的接触と早期の社会的な発達に関連があることが指摘されている。本研究では、この関連性について脳機能から検討した。43名の5歳の子どもの、10分間のフリープレイ中の母親からの接触頻度が記録された。さらに、fMRIを用いて子どもの安静状態での脳活動が計測された。デフォルトモードネットワークの活動について分析した結果、母親の接触頻度が右の上側頭溝の後部 (pSTS) から側頭頭頂結合部 (TPJ) の活動と関連することが示された。また、この活動を起点に両側の側頭葉、前頭葉、左の島を含むネットワークの機能的結合を検討した。母親の身体接触頻度の低いグループと比べると、接触頻度高群では、機能的結合に右背内側前頭前皮質が加わっていた。これらの結果から、幼少期の触覚的な経験が社会脳の発達に関連し、とくにメンタライジング機能への結合が関連すると考えられる。