Exposure to multiple languages enhances communication skills in infancy
多言語への暴露は乳児期のコミュニケーション能力を高める

Liberman, Z., Woodward, A. L., Keysar, B., & Kinzler, K. D. (2017)

Developmental science, 20(1).


要約

子供が事実上モノリンガルであっても、多言語への早期の暴露はコミュニケーション能力を高めることができる(Fan, Liberman, Keysar & Kinzler, 2015)。本研究では、多言語暴露の社会的な利益が乳児期に発現するという証拠を報告した。16か月の乳児が、話者によって意図された意味を理解するために、その人の視点を取得することを求められるコミュニケーション課題に参加した。乳児は2つの同一のおもちゃ(例えば、2台の車)を提示された。片方のおもちゃは乳児と話者が互いに見ることができたが、もう片方のおもちゃは不透明な壁によって話者の視界から遮断されていたため、乳児のみ見ることができた。話者は互いに見ることのできるおもちゃを乳児に要求し、乳児が話者の要求を理解することができるのかを評価した。モノリンガル児は2つのおもちゃの選択においてチャンスレベルであったのに対し、多言語暴露の乳児は話者が要求したおもちゃを確実に選択した。さらに、パフォーマンスが他の言語への暴露の程度に関係しないということから、わずかな多言語暴露でもコミュニケーション能力を高めることを示唆する。